Hindustan Timesによると、10月3日インドの最高裁は、指定カーストに属する男性のインド工科大学(IIT: India Institutes of Technology) の入学を許可するよう指示しました。授業料17,000ルピー(約32,000円)を納付できないために難関のIIT入学資格を取り消された男性が、最高裁まで争って獲得したものです。
インドの識字率は、2011年の国勢調査によると74.1%(男性82.1%、女性65.5%)であり、2022年の識字率は76.3%(男性83.5%、女性69.1%)と若干改善されています。(国勢調査が実施されていないため、Statista社による算定値)
2002年の憲法改正と2009年の無償義務教育権法により、初等教育の義務化や無償化が法整備され、女性やカースト等被差別層等に対する教育機会の拡大が図られています。貧困世帯の子弟に対する奨学金制度の見直しや被差別層に対する入学枠の設定等により改善されつつありますが、問題は残されたままです。今回の最高裁の決定は、限られた一部の成功例として話題になっていますが、優秀な人材の教育機会を奪うことのない政策が望まれます。
(入学予定のIIT Dhanbad校)