インドの総選挙開票速報
4月19日から6月1日にかけて継続された総選挙の開票が6月4日に実施され、インド人民党(BJP: Bharatiya Janata Party)を中心とする与党連合の国民民主同盟(NDA: National Democratic Alliance)として292議席を獲得し、定数543議席の過半数を維持しました。
BJPは前回2019年の総選挙で303議席を確保し単独過半数を保持していましたが、
今回は240議席にとどまりました。ラルフ・ガンジー氏(インドの政治界の名門、ネール・ガンディー一族の出身)の国民会議派(INC: Indian National Congress)が率いる野党連合が99議席を確保し、予想以上に議席を増加しました。
インドの総選挙は、5年に一度実施される一大行事で約9億7千万人の有権者の投票率は約66%(前回の投票率67%)であり、7割近い国民の意思を反映していると言えます。
モディ首相は、強いリーダーシップによりインドの経済成長をけん引し、GDPで世界第5位の経済大国にまで成長させ、購買力旺盛な中間層を増やして来ましたが、この波に乗れない人、つまり労少なくして利益を得ようとする社会主義的な政策を好む人々がばらまき政策を推進しようとする国民会議派に共感したものと思われます。
BJPの支持が伸びなかったことが、モディ首相の3期目の政権運用にどの程度の影響が出るかは不明ですが、今後のモディ首相の政権運営が我が国の安全保障と経済にとって益々好ましい方向に進展することが望まれます。
(勝利宣言をするモディ首相 写真:Firstpost)