インドの国防予算は、4.78兆ルピー(約7兆1200億円)で前年の4.71兆ルピー(約7兆200億円)から1.4%増加しました。その防衛新装備品(武器)の調達予算は1.35兆ルピー(約2兆100億円)で19%増加しており、国軍の近代化を進めようという意図が反映された予算となっています。
2021年1月発表された2021年軍事力ランキング(GlobalFirepower.com)によると、インドは米国、ロシア、中国に続き第4位であり、近年この順位は変わっていません。しかしながら、インド軍の武器は、その6割を輸入に頼っているという他力本願の現状におかれています。
印中実行支配線(LAC: Line of Actual Control)での中国との衝突等により、インド政府は人員、武器及び装備の充実の必要性を痛感していますが、新型コロナウィルスによる経済低迷状態のなか、中国に匹敵するような国防予算を組めないのが現実です。中国の軍事予算がインドの2倍以上の現状(注)において、制約された予算の中、いかにして中国との軍事バランスを維持するか、インド政府のかかえる頭の痛い問題です。Make in Indiaは、正にこのような現状の改善を目指したものですが、実際にどこまで武器の国産化を進められるかが注目されます。
注:中国の発表する国防予算には、研究開発費が含まれていません。これをインド同様に含めれば、
その差は更に大きくなります。
(firstpost.com)