インドは、2020年3月25日に全土のロックダウンを開始し,生活必需品の買物等を除いて外出を禁止するという世界で最も厳しい感染症対策と言われましたが、経済に深刻な影響が出て来たため、6月1日から段階的に解除を進め、10月15日以降感染症患者の多い一部の地域を除き全面的に解除しました。
学校側も、第9学年から第12学年(日本の中学3年生から高校3年生)しか認めていなかった通学を、各自治体と学校の判断、親の同意のもと10月15日以降全学年に対して認めることとなりました。
インドの第9学年から第12学年は、大学進学や高等技術を身に付けるための重要な期間であるため、6月1日から優先的に緩和されていましたが、感染者の増加が止まらない現状から通学を望まない親も多く、11月23日現在全面的に通学を実施している州は少ないのが実情です。
インドは、オンライン等による授業を推進していますが、学習機会の喪失や経済的、社会的ストレスの増大等、子供たちのみならず親や教師たちにも悪影響を及ぼしています。公立学校の給食未実施による栄養不良、器材や人員削減等による全学年に及ぶ学力不足等問題は深刻化しています。
このような中、11月5日のエコノミックタイムズ紙によると、学校再開後アンドラプラデシュ州の3日間の生徒40万人の内、262人がコロナウィルス陽性と発表されました。陽性率が0.1%未満であり、全ての感染が学校生活に起因するとは言えませんが、学校としても今まで以上に厳格な感染予防策が求められることは間違いないでしょう。これを機に、インドの学校における衛生教育がさらにレベルアップされるよう期待したいところです。
野外授業(welthungerlife.org)