11月2日、トランプ大統領夫妻の新型コロナウイルス感染が公にされました。直後は、フェイクニュースか形勢逆転のためのシナリオとの噂もありましたが、本当の意味でオクトーバー サプライズ(October Surprise:米国大統領選挙が行われる1か月前の10月に選挙に大きな影響を与える出来事が起こる事、前回の選挙でも優勢と思われたクリントン候補の私用メール問題の再捜査が表明された事等々)になりました。
トランプ大統領は、9月29日の両候補による初めてのTV討論会で、自己の新型コロナウイルスのパンデミック管理を正当化するために、中国、ロシア、インド(インドは、米国、ブラジルに続く第3位の死亡者数)を名指しして、死亡者数が疑わしいと発言しました。また、米国のパリ協定離脱を擁護するために、中国、ロシア、インドは有害な物質の大気排出に関心を示していないが、米国は適切に実施しているとも述べています。
本年2月に訪印して大歓迎をうけたトランプ大統領は、米国とインドは緊密な同盟国であり「特別な友人」と持ち上げていましたが、インドを中国、ロシアと同列に扱わなければならないほど、今回の大統領選では厳しい戦いを余儀なくされているということでしょう。
米国の大統領が変わったとしても、インドの存在価値は変わらないと思われますが、トランプ大統領の新型コロナウイルスの感染が、インドの感染拡大防止に良い影響を及ぼす警告になることが望まれます。
10月2日、モディ首相は、トランプ大統領夫妻に宛てて「私の友人の迅速な回復と健康を祈る。」との電報を発信しました。インドの大統領ラーム・ナート・コヴィンド(Ram Nah Kovind)氏も、早期回復を願う電報を打っています。なお、インドの前大統領ムカジー(Mukherjee)氏84歳は、8月31日に新型コロナウイルス感染により死去しています。