9月9日、インドの国防次官と駐印日本大使によって、「物品役務相互提供協定(ACSA:Acquisition and Cross Servicing Agreement)」の署名が行われました。
ACSAは、締結国間の軍隊が相互に補給物資や役務を提供しあう協定で、部隊活動を相互協力の下行うことを担保するものです。この協定により、自衛隊とインド軍の訓練等の活動や国連平和維持活動(PKO)等における緊密な協力体制が確立されます。ACSAは、アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダ、フランスと既に締結し、インドは6番目の締結国になります。
ACSAの内容は、対象国によって異なり、対象とする地域と対象となる補給物資や役務がそれぞれの協定に定められています。インドとの協定は、共同訓練、国連平和維持活動等において、食料・水、燃料、宿泊、輸送、衛生業務等を相互に提供するものです。アメリカとの協定は、防衛協力の側面が強く有事においては弾薬の相互提供も可能になっています。
自衛隊の海外での活動の進展に伴い、各国との相互協力の必要性から締結国は増加していますが、特にインドとの締結は、自由で開かれたインド太平洋構想の下、日印両国が国際社会の平和、安全に積極的に寄与する意味で重要です。
備えあれば憂いなしとはいえこの協定を実行に移さなくていいことが一番ですが、昨今のニュースを見ていると必要性を感じずにはいられません。