来月末から約1週間の旅程でインド人一行が来日します。目的は日本企業の製品(プラント)視察と商談ですが、来日者の半数がベジタリアン。アレンジする弊社がいつも苦労するのがベジタリアンの食事です。無難なのはインド料理店で、必ずベジタリアンメニューがあります。とはいうものの、折角日本に来たのだから、日本食も味わってみたいというのが本音。ところが、この望みを叶えるのは至難の業。野菜天ぷらや蕎麦なら良いだろうと思うと、そうは行きません。ツユに鰹節が入っていたらダメ。精進料理は意外と値が張り、軽々には連れていけません。前回は、丸の内にあるMUSMUSというところに行きましたが、ベジタリアン専門のレストランではありませんが、野菜を蒸した料理を始め、全て野菜で完結できるため、ベジタリアンのインド人は大変喜びました。しかし、ここ以外は、全てインド料理店か、パン屋さん。
そこで、ベジタリアンとは?あらためて整理して対策を練ることにしました。
ベジタリアンはヒンドゥー教、ジャイナ教など宗教上の殺生に対する観念を動機に実践している人が多数で、上位カーストのブラーミンには厳格に守っている人もいますが、ブラーミンでも海外での勤務経験がある人など、あるいはその子供にはノンベジタリアンもいます。実際、弊社平野の友人(ブラーミン)の娘さんは吉野家の牛丼が好物です。
そこで、家庭という単位について見てみますと、家庭によっても受け継がれるベジタリアンの種類は大雑把に4種類あると言われています。
①ビーガン:完全菜食主義者で卵乳製品はもちろんはちみつなど動物性食品を一切口にしない。
②ラクトベジタリアン:植物性食品と乳製品はOK。
③ラクト・オボ・ベジタリアン:植物性食品と乳製品と卵はOK
④ペスコ・ベジタリアン:植物性製品・魚・卵・乳製品はOK。
2014年インド登録長官が発表した調査結果によると、インド全体でのベジタリアン人口は28.5%ですが、州によって大きな差があるようです。
例えば、ムンバイのあるクジャラート州はベジタリアン人口が61.8%、西ベンガル州98.5%、テランガナ州98.7%。
日本で働くインド人ビジネスマンの中には、国ではベジタリアンだが、日本ではそうも言ってられず、社員食堂や会社周辺のレストランでランチをするという人も知り合いにちらほら。
環境が変われば、状況も変わるのかもしれませんが、日本からインド進出をお考えの方は州によって口にできるものが大きく違うので、事前調査していかれることをお勧めします。